<ご注意> 本インタビュー記事は、インタビュー実施時点(2022 年12 月8 日)での情報をもとに作成されています。 現在と異なる場合がありますのでご了承ください。 人と技術をコアに新しい時代を支えるため、モバイル事業、ソリューション事業、決済サービス事業他を手掛ける株式会社ティーガイア オープンイノベーション推進部長の山口 知宏氏に話を伺った。 山口 知宏氏 オープンイノベーションの前進 ― 社長プロジェクト ― ─―オープンイノベーションの取組を始められた経緯や始められる前に感じられていた課題について教えてください。 山口:弊社はモバイル事業、ソリューション事業、決済サービス事業他を手がけていますが、新たな収益の柱となる新事業の創出に取り組むこととなりました。2018年より新たに「社長プロジェクト一部」「社長プロジェクト二部」を設置し、「社長プロジェクト一部」は、組織横断的な業務効率化を、「社長プロジェクト二部」は投資や新規事業開発を積極的に行ってきました。その「社長プロジェクト二部」が2022年4月、現「オープンイノベーション推進部」に名称を変更しました。 ─―2018年より積極的にプロジェクトを進めているということですが、どのようにオープンイノベーションの目的を設定されましたか。目的の達成状況と合わせて教えてください。 山口:既存事業だけでなく、新規事業を積極的に進めるために、オープンイノベーションの目的は新事業創造と設定しています。現在では、再生可能エネルギー事業、ICT教育、eスポーツ、エッジソリューション、農業等に取り組んでいますが、収益化には依然として時間がかかる状況ですね。 ─―様々な分野で取り組まれているのですね。もし、オープンイノベーションを実施していなかったらどうなっていたかと思いますか。 山口:当社は内部で研究開発を行う業態でもないため、なかなか新しい取組は生まれなかったのではないでしょうか。 専門知識を持つ人材の育成 ─―続いて各ステージにおける具体的な取組についてお伺いできればと存じます。まず、事業アイディアの棚卸・ビジネスモデル検討における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。 山口:具体的な取組としては、過去に社内で新しいビジネスのアイディアを募集したり、全社横断的なタスクフォースチームを作って新規ビジネスモデルの検討を行ったりしました。その中から前述の新規ビジネスへ繋がったものもあります。 課題としては、専門的な知識を持った人材の不足、想定する顧客のニーズが不明確であることですね。 ─―専門知識を持った人材の不足は他の企業様でもうかがいます。では課題解決のために取り組まれていることがあれば教えてください。 山口:投資関係の知識については、部内でエキスパート人材の育成を行っています。また、各営業部との情報交換を密に行い、各業界の動向を把握することに努めています。 ─―部の人材育成は大切ですよね。続いて、連携相手の探索における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。 山口:自社からのアプローチのほか、銀行や証券会社からの紹介を受けて、接触を図っています。 課題としては、事業アイディアと連携相手の候補を発見するタイミングのズレや、連携相手候補の技術と事業アイディアの関係性の見落としですね。 ─―では課題解決のために取り組まれていることがあれば教えてください。 山口:個々人の人的ネットワークの活用や関係部署間における連携を行っています。また、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会等の業界団体に加盟することでネットワークの拡大にも取り組んでいます。 ─―多角的な人的ネットワークを活用しているのですね。続いて、情報交換・協業における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。 山口:勉強会の開催や事業アイディアの社内外への発信などを行っています。 課題としては、協業先とのスピード感のズレや、社内での承認に時間がかかることですね。 ─―では、事業化における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。 山口:先ほどお話しした通り、再生可能エネルギー事業や、ICT教育、eスポーツ、エッジソリューション、農業などに取り組んでいます。 課題としては、収益化するまでに時間がかかることですね。 外部との連携強化―一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会― ─―PoC・研究開発のスピードを加速するためには、助け合いの文化や部署の枠を超えた交流が重要という分析結果が出ておりますが、御社においてそうした内容で何か特別な工夫をされていましたら教えてください。 山口:オープンイノベーション推進部に在籍するメンバーの中には営業部との兼務者が複数名おり関係部署との連携強化を図っています。また、2022年7月には、前述の一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会の会員になるなど、外部との連携強化にも努めています。 ─―外部との連携強化がポイントなのですね。また、スタートアップと協業を行う上で、スピードを落とさないための工夫やスタートアップの調査を活かすための配慮などあれば教えてください。 山口:出資することで財政的にも支援し、関係構築を素早く行っていくことですね。また、協業をキーワードに、一緒に取り組む姿勢を示すようにしています。 ─―財政面の支援を素早く行うことがポイントなのですね。最後に行政に対する意見や要望がありましたら教えてください。 山口:弊社は国内の各地で携帯電話ショップを運営しており、この強みを生かして、地場の企業との連携強化や地方創生に関わるビジネス開発にも取り組んでいます。その点で地方の様々な情報を提供してほしいですね。 取材対象プロフィール 株式会社ティーガイア オープンイノベーション推進部 部長山口 知宏氏 (株)ティーガイアでは、主力であるモバイル事業、ソリューション事業、決済サービス事業他から派生する形で、多くのプロジェクトを展開しており、社長直轄の全社横断型組織として、「社長プロジェクト一部」「社長プロジェクト二部」があった。山口氏は、社長プロジェクト二部長として、米企業が展開するeスポーツプラットフォームの日本進出支援等の実績を有する。現オープンイノベーション推進部では、スタートアップへの投資やM&A等を通じてイノベーションを創出することを目指している。 インタビュー実施日:2022年12月8日
<ご注意>
本インタビュー記事は、インタビュー実施時点(2022 年12 月8 日)での情報をもとに作成されています。
現在と異なる場合がありますのでご了承ください。
人と技術をコアに新しい時代を支えるため、モバイル事業、ソリューション事業、決済サービス事業他を手掛ける株式会社ティーガイア オープンイノベーション推進部長の山口 知宏氏に話を伺った。
山口 知宏氏
オープンイノベーションの前進 ― 社長プロジェクト ―
─―オープンイノベーションの取組を始められた経緯や始められる前に感じられていた課題について教えてください。
山口:弊社はモバイル事業、ソリューション事業、決済サービス事業他を手がけていますが、新たな収益の柱となる新事業の創出に取り組むこととなりました。2018年より新たに「社長プロジェクト一部」「社長プロジェクト二部」を設置し、「社長プロジェクト一部」は、組織横断的な業務効率化を、「社長プロジェクト二部」は投資や新規事業開発を積極的に行ってきました。その「社長プロジェクト二部」が2022年4月、現「オープンイノベーション推進部」に名称を変更しました。
─―2018年より積極的にプロジェクトを進めているということですが、どのようにオープンイノベーションの目的を設定されましたか。目的の達成状況と合わせて教えてください。
山口:既存事業だけでなく、新規事業を積極的に進めるために、オープンイノベーションの目的は新事業創造と設定しています。現在では、再生可能エネルギー事業、ICT教育、eスポーツ、エッジソリューション、農業等に取り組んでいますが、収益化には依然として時間がかかる状況ですね。
─―様々な分野で取り組まれているのですね。もし、オープンイノベーションを実施していなかったらどうなっていたかと思いますか。
山口:当社は内部で研究開発を行う業態でもないため、なかなか新しい取組は生まれなかったのではないでしょうか。
専門知識を持つ人材の育成
─―続いて各ステージにおける具体的な取組についてお伺いできればと存じます。まず、事業アイディアの棚卸・ビジネスモデル検討における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。
山口:具体的な取組としては、過去に社内で新しいビジネスのアイディアを募集したり、全社横断的なタスクフォースチームを作って新規ビジネスモデルの検討を行ったりしました。その中から前述の新規ビジネスへ繋がったものもあります。
課題としては、専門的な知識を持った人材の不足、想定する顧客のニーズが不明確であることですね。
─―専門知識を持った人材の不足は他の企業様でもうかがいます。では課題解決のために取り組まれていることがあれば教えてください。
山口:投資関係の知識については、部内でエキスパート人材の育成を行っています。また、各営業部との情報交換を密に行い、各業界の動向を把握することに努めています。
─―部の人材育成は大切ですよね。続いて、連携相手の探索における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。
山口:自社からのアプローチのほか、銀行や証券会社からの紹介を受けて、接触を図っています。
課題としては、事業アイディアと連携相手の候補を発見するタイミングのズレや、連携相手候補の技術と事業アイディアの関係性の見落としですね。
─―では課題解決のために取り組まれていることがあれば教えてください。
山口:個々人の人的ネットワークの活用や関係部署間における連携を行っています。また、一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会等の業界団体に加盟することでネットワークの拡大にも取り組んでいます。
─―多角的な人的ネットワークを活用しているのですね。続いて、情報交換・協業における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。
山口:勉強会の開催や事業アイディアの社内外への発信などを行っています。
課題としては、協業先とのスピード感のズレや、社内での承認に時間がかかることですね。
─―では、事業化における具体的な取組内容や発生した課題などについて教えてください。
山口:先ほどお話しした通り、再生可能エネルギー事業や、ICT教育、eスポーツ、エッジソリューション、農業などに取り組んでいます。
課題としては、収益化するまでに時間がかかることですね。
外部との連携強化―一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会―
─―PoC・研究開発のスピードを加速するためには、助け合いの文化や部署の枠を超えた交流が重要という分析結果が出ておりますが、御社においてそうした内容で何か特別な工夫をされていましたら教えてください。
山口:オープンイノベーション推進部に在籍するメンバーの中には営業部との兼務者が複数名おり関係部署との連携強化を図っています。また、2022年7月には、前述の一般社団法人日本ベンチャーキャピタル協会の会員になるなど、外部との連携強化にも努めています。
─―外部との連携強化がポイントなのですね。また、スタートアップと協業を行う上で、スピードを落とさないための工夫やスタートアップの調査を活かすための配慮などあれば教えてください。
山口:出資することで財政的にも支援し、関係構築を素早く行っていくことですね。また、協業をキーワードに、一緒に取り組む姿勢を示すようにしています。
─―財政面の支援を素早く行うことがポイントなのですね。最後に行政に対する意見や要望がありましたら教えてください。
山口:弊社は国内の各地で携帯電話ショップを運営しており、この強みを生かして、地場の企業との連携強化や地方創生に関わるビジネス開発にも取り組んでいます。その点で地方の様々な情報を提供してほしいですね。
取材対象プロフィール
株式会社ティーガイア オープンイノベーション推進部 部長
山口 知宏氏
(株)ティーガイアでは、主力であるモバイル事業、ソリューション事業、決済サービス事業他から派生する形で、多くのプロジェクトを展開しており、社長直轄の全社横断型組織として、「社長プロジェクト一部」「社長プロジェクト二部」があった。山口氏は、社長プロジェクト二部長として、米企業が展開するeスポーツプラットフォームの日本進出支援等の実績を有する。現オープンイノベーション推進部では、スタートアップへの投資やM&A等を通じてイノベーションを創出することを目指している。